はじめに

写真1 BAR HGWL 全景 いわゆるコンデンサネタなのですが、 今回は無線 LAN アクセスポイントを備えたブロードバンドルーター Corega BAR-HGWL の(応急)修理の記録を紹介します。(応急)修理の理由ですが、手持ちの部品を使ったので 元の定数通りのコンデンサを入手しなかったためです(通販すれば良いのだけど)。

おやくそく

修理や改造に自信が無い場合は素直にメーカー修理、あるいは新規購入をお勧めします。 このページにある内容は正規の修理・改修手順に基づくものではありません。また、特定の個体の状態に基づき 書かれた内容です。問題の普遍性や一般性について主張するものでは有りません。同一、同様機種における特徴や 問題点については感知しません。この記事を参考にした結果が予期できない危機的な事態を招く可能性もあります。 記事内容に関して直接メーカーに問い合わせることはしないでください。 同時に独自の解析なので、正確な内容でない可能性があります。

症状

BAR HGWL を設置した実家から「インターネットが時々見えなくなる」というなんともアバウトな(まぁ 普通の人が 理解できるレベルでは至極正確な報告だと思う)故障報告が上がってきていたので詳しく聞くと。 ということだった。そこでもう少し調べてみると。 という結果になりました。ほぼ BAR HGWL の故障とみて間違いないという結論になりました。

修理

写真2 メイン基板 クリックで拡大 分解は比較的簡単です。前側底部の + ネジ 1 つ(No.1 ドライバが合います)、基板の + ネジ 3 つ(No.2 ドライバが合います)を外します。基板(写真 2)を眺めてみると次のようにコンデンサが並んでいます。実測 すると 16V 330uF 以外のコンデンサが容量抜けしていて正常な動作は期待できないことが分かりました。
耐圧
容量
温度
区分
ESRグレード実測容量ノート
25V 470uF 105℃ 一般 457uF 1 次側
少し熱い
10V 1000uF 105℃ 低 ESR
Tocon LR
56.2uF 2 次側、Tocon はメーカー名
熱い(自己発熱もある)
16V 100uF 105℃ 一般 50uF 3 次側?(別のレギュレータOUT)
熱い(暖められている?)
16V 330uF 105℃ 一般 368uF カード電圧安定用?
熱くない

動作中に触ってみると熱い(50℃〜60℃)のと(写真3) 10V 1000uF のコンデンサは頭頂部が膨れているの が確認できました。膨れていると言っても触らないと分からない程度です。 写真3 10V 1000uF コンデンサ 頭頂部 ふくらみ 気分の問題も有りますが全交換とし、次のように交換することになりました。 手持ちの部品の関係もあって容量はかなりの増量になった所もあります。 本当は元の定数定数通りが理想です。他の部品を使用する場合は高さ 18mm 以下にしてください。 18mm を超えると天板を押してしまいます。
耐圧
容量
交換後部品
全てニッケミ
温度区分ESRグレード
25V 470uF 25V 680uF KZH 105℃ 低 ESR
10V 1000uF 10V 1000uF KZH 105℃ 低 ESR
16V 100uF 25V 680uF KZH 105℃ 低 ESR
16V 330uF 16V 330uF KMG 105℃ 一般

交換後は正常に動作し続けています。
実は一度定数通りで全て KMG (105℃で一般)グレードに交換してみたのですが、 調子が悪いときがあるということで表で示した様に交換し直しました。10V 1000uF の代わりが KMG グレードでは無理そうな事は分かっていました。ちなみ KMG でも 交換した後 2 ヶ月ほど使用した後の容量は規格以上有りました。恐らく ESR が 高くてレギュレーションが悪かったのかも。
写真4a 交換後電源部 写真4b 交換後カード部

その他のケア

平置きで使用しているので、底面のゴム足をもう少し高いものにして放熱性を高くしました。 接地面下が熱の伝達が悪い環境だったので空気が通るようにした方が冷えるようです。
コイルも相当熱くなっているので、高周波ワニスを塗布してショート対策をしておきました。 もう少し欲を言うと、熱伝導性の良い接着剤が有るならば、周辺の FET、レギュレータ IC に 放熱器を取り付けておきたいところです。基板を伝わった熱でコンデンサがかなり暖められています。
何かありましたら
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