■ ご利用ありがとうございます
GCHS.EXE は NEC PC-98x1 シリーズで利用していた SCSI ハードディスクのヘッ
ド数、セクタ数を解析するツールです。その他パーティション情報も調べること
ができます。
■ 実行環境
・ハードウェア IBM PC/AT 互換機
80386 またはこれに互換性があるプロセッサで動作している
必要があります。
注: PC/AT は厳密に言えば 80386 で動作するマシンではない
のですが...
・OS MS-DOS v6.22 動作可能
Windows 3.1 動作可能
Windows 95 初期 動作可能
Windows 95 OSR1 動作可能
Windows 95 OSR2 動作可能
Windows 98 動作可能
Windows 98SE 動作可能
MS-DOS 用の ASPI マネージャが動作すれば動作可能
------------------------
Windows Me 動作不能
・ASPI MS-DOS モードの ASPI マネージャが必要です。
SCSI インターフェースに添付された MS-DOS 用ドライバ
を組み込んでおいてください。
注: MS-DOS モードの ASPI マネージャがなくても Windows98
を使用していれば MS-DOS プロンプトモードで ASPI マ
ネージャが使用可能になっています。解析は可能ですが、
/L オプションによるホストアダプタリストは利用できま
せん。
・メモリ MS-DOS 領域に 128Kbyte 程度空いていれば実行できます。
・解析対象ドライブ
PC-9821, PC-9800 シリーズで使用していた SCSI ドライブ
で拡張フォーマットを施してあるもの。
注: SCSI ドライブの殆どが拡張フォーマットのはずです。
■ 使用方法
■ パーティションを表示する
パーティションを表示するには次の様に引数に SCSI-ID と /P- を指定します。
示した例では SCSI-ID #5 のパーティションリストを表示します。
>GCHS 5 /P-
次はパーティションの表示例です。表示の内容で特に必要になるのは Partiton
の部分です。この部分に示された "5:P0W" のような文字列が、パーティション
を利用するために SCSID.EXE に指定する引数になります。
[ Partition List ]
Partition State Boot Label Begin - End
5:P0W Active Disable 'MS-DOS 6.20 ' 1 - 384
5:P1W Active Disable 'MS-DOS 6.20 ' 385 - 1024
5:P2W Active Disable 'Windows 98 ' 1025 - 2624
5:P3W Active Disable 'Windows 98 ' 2625 - 24632
| | | | | |
| | | | 開始 - 終了
| | | | シリンダ
| | | |
| | | パーティションラベル
| | |
| | Boot 許可/禁止: Enable/Disable
| |
| パーティション活性状態: Active/Sleep
|
パーティション番号: SCSID.EXE の引数として利用します。
scsi-id:Pnumber[W] の形式をしています。
注意: 0 から順に並ばないことも有ります。
■ 使用方法
■ ヘッド数とセクタ数を解析する
ヘッド数とセクタ数を解析するには次の様に引数に SCSI-ID を指定して起動し
ます。示した例では SCSI-ID #5 のヘッド数とセクタ数を解析します。
>GCHS 5
パーティションの利用状況によっては数100万セクタ程度が解析対象になり、暫
く時間が掛かります。ヘッド数とセクタ数の解析に成功した場合、最後の表示内
容は次のようになります。
[ Predict Results ]
Type Sector-Pos. Heads Sectors Option-Hints
BPB32 256 8 32 /G5=8:32
BPB32-WIN95 256 8 32 /G5=8:32
BPB-DOS 256 8 32 /G5=8:32
表示例では 8 ヘッド 32 セクタが解析結果となります。Option-Hints の所に
SCSID.EXE に渡すべきオプションの候補が表示されます。表示例では /G5=8:32
です。オプションの意味は次の様になっています。
+-------------- SCSI-ID
| +------------ ヘッド数
| | +--------- セクタ数
| | |
/G5=8:32
Option-Hits のところに 2 種類以上の候補が表示された場合、/P オプションを
指定して解析するパーティション数を増やして下さい。例えば次の様にします。
> GCHS 5 /P2
解析した結果は次のような傾向があります。
(1) 解析した結果同士は違う値になっているが意味は同じ。
このケースの場合、ヘッド数とセクタ数の積が同じになっています。
例えば、
Heads Sectors ヘッド数とセクタ数の積
4 41 4*41=164
2 82 2*82=164
恐らくどちらも指定可能ですが、解析対象パーティション数を増やした結果
より多く表示される値を選択してください。
(2) 解析対象セクタ数が少ない。
(1) の様にヘッド数とセクタ数の積が同じにならない場合、解析結果として
信じるのは危険です。
解析パーティション数を増やすと、解析結果が収束する場合もあります。
さらにヘッド数とセクタ数の積は一定です。もし、解析結果が収束する様で
あれば、解析に成功していると考えられます。
(3) パーティションが破壊されている。あるいは他の OS が入っている。
(1) の様にヘッド数とセクタ数の積が同じにならない場合です。見た目は
(2) と同様です。解析結果として信じるのは危険です。
解析パーティション数を増やしても値が定まりません。さらにヘッド数とセ
クタ数の積が変化する傾向があります。
パーティションの利用状況が変則的になっている場合、次の様に表示され解析に
失敗するケースもあります。
[ Predict Results ]
Can not predict disk geometry.
利用しているパーティションが無かったり、元々 NEC PC-98x1 で使用していな
い場合も出ます。更なる解析を試みる場合は /P オプションを指定して解析対象
パーティションを増やしてみてください。
■ GCHS.EXE のオプション
次のオプション指定が可能です。
/I"SCSI-IF" SCSI ホストアダプタを名前で指定します。
2 枚以上 SCSI カードを利用している場合に指定します。ある
いは、Windows の DOS プロンプトより使用している場合で、
IDE コントローラが SCSI アダプタよりも優先される番号付け
になった場合も指定します。
デフォルト: 指定無し (/N オプション優先)
/Nnum SCSI ホストアダプタを番号で指定します。
ホストアダプタ番号は /L オプションで確かめることができま
す。SCSI ホストアダプタは /I オプションまたは /N オプショ
ンのどちらか 1 つで指定します。
デフォルト: /N0
/S SCSI リクエストを 6Byte フォーマットで行います。
通常はこのオプションを指定する必要はありません。セクタ数
が多いドライブが解析対象になった場合、このオプションは無
視されます。
デフォルト: 指定無し
/P- パーティションリストのみ表示します。解析はしません。
デフォルト: 指定無し
/PMaxPartition 解析対象パーティション番号の最大を指定します。
パーティション番号は 0 番より数えます。/P0 で先頭のパー
ティション、/P1 でパーティション 0 と 1 が解析対象になり
ます。実際に存在するパーティション番号より大きい値の場
合、超過分は無視します。
デフォルト: /P0
/L SCSI ホストアダプタのリストを表示します。
次の様に表示されます。No. に示された値は /N オプションの
数値になります。I/F name に示された文字列は /I オプション
の "" の中の文字列になります。
No. I/F name.
0 trm3x5
1 intelata
2 intelata\x01
注: このリストは Command prompt only モードで起動した場合
と Windows の DOS プロンプトウインドウ内(フルスクリーン
モードも含めて)で起動した場合とで違う場合があります。
SCSID.EXE のオプションに利用する場合は Command prompt
only モードで起動した場合の結果を利用してください。
デフォルト: 指定無し
/D この GCHS.EXE では常に指定されている状態です。
■ 利用上の注意
Q. GCHS.EXE を使用中にマウスやキーボードの反応が悪くなるようだ。
A. GCHS.EXE は MS-DOS アプリケーションです。特にディスクを直接アクセスし
ているので Windows アプリケーションの動作はぎこちなくなります。
CD-R, CD-RW の焼きこみをディスクアクセスと平行して行うのは避けて下さ
い。SCSID.EXE で利用しているドライブのファイルを CD-R や CD-RW に保存
するときは CD イメージを一旦別のハードディスクに作成するなどの方法を
推奨します。
Q. 解析結果は PC-98x1 で使用していたときのヘッド数、セクタ数と違う。
A. PC-98x1 で利用していたときの正確なヘッド数とセクタ数が分かっているな
らば解析結果を利用するよりは分かっている値を使用してください。
解析結果の傾向として、ヘッド数とセクタ数の積が PC-98x1 で使用していた
ときのヘッド数とセクタ数の積に一致します。
注: PC-98x1 で利用していたときの正確なヘッド数とセクタ数はマルチベン
ダパラメータとも呼ばれていて、起動時の BIOS 設定や PC-98x1 で使用して
いた SCSI ボードのユーティリティプログラムで調べることができます。
Q. SCSI ディスクにヘッド数とセクタ数なんていう概念は無いのでは?
A. PC-98x1 では SCSI ディスクに便宜上のヘッド数とセクタ数を定義してい
ます。一部の SCSI ドライブは問い合わせた結果の中に便宜上推奨される
ヘッド数とセクタ数がありますが、この値と PC-98x1 での値が一致すると
も限りません。
Q. 解析をすると SCSI ディスクに何か書き込みをするのですか?
A. SCSI ディスクに書き込むことはありません。
Q. SCSI-ID 番号の設定によって解析結果が変化しますか?
A. 解析結果は SCSI-ID 番号の設定で変化しません。
Q. 接続していないドライブを解析対象にして起動してしまいました。ハング
アップしたようにも見えるのですが?
A. 20-30 秒程度待ってみてください。"Not ready." と表示して終了します。
Q. 既に MS-DOS や Windows のドライブとして利用している SCSI-ID を解析対
象にしてしまった。
A. 恐らく問題は無いはずですが、絶対安全であるとは言えません。多少面倒で
も、解析対象以外のディスクを外した状態で解析をすることを勧めます。
Q. スリープ状態になっているパーティションは解析対象になるのですか?
A. 解析対象になります。
Q. LOADHIGH(LH) を指定して起動しても良いか?
A. 推奨しません。
Q. 解析結果をファイルに保存できますか?
A. 次の様にリダイレクトすれば保存できます。
>GCHS 5 > LOG.TXT
リダイレクトをするとリアルタイムに解析中のセクタを表示しなくなりま
す。リダイレクトしたファイルにもリアルタイムに解析中のセクタ表示は残
りません。
Q. VFAT や FAT32 も解析できるのですか?
A. できます。FAT12, FAT16, FAT32, VFAT(長いファイル名) のパーティション
に対応しています。
Q. NTFS などの FAT, VFAT, FAT32 以外のドライブ(パーティション)に対応して
いますか?
A. 対応していません。
Q. NEC PC-9821, PC-9800 シリーズで利用できますか?
A. ASPI マネージャが有れば(組み込まれていれば)利用できます。
ただし、GCHS で得られる情報は SCSI-I/F のセットアップメニューやユー
ティリティソフト、MS-DOS や Windows に含まれている FDISK (古い MS-DOS
ならば FORMAT) コマンドで調べたほうがより正確です。
Copyright (C) [2001/4] by Akinori Furuta.
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